2008年3月31日
街に暖かな風が吹き始め
僕の心は戸惑っている
忘れかけていた夢が
心の中で、ふくらみ始める
捉まえかけたのに
手をすり抜けていった思い出たちは
まばゆい木漏れ日の中へと
姿を消した
「まるで、君は風のようだね」
輝いた瞬間に
色褪せて行く季節
心をくすぐりながら
吹き過ぎていく風の行方を
誰か教えてください
2008年3月20日
春に咲く小さな花は
陽だまりの中にたたずんで
いつもひっそり
微笑んでいます
僕はその姿を
いつまでも見ていたいけど
その小さな花に
微笑み返してみたいけど
春に咲く小さな花は
とてもきれいな小さな花
道行く人に微笑んで
いつもやさしい素敵な花
2008年3月10日
長い旅路の水先案内人は
春のことなど見向きもせずに
そそくさと先へ先へと進んで行く
大人達の
春は遥かに遠く
あの頃を思い出す術もないだろう
しかし今 僕らは
移ろう季節に途惑っている
いくら呼び止めても
季節はどんどん過ぎて行くだけ
後ろを振り返れば
やり残したことばかり
楽しかった日々も
今では枯葉色したアルバムの中
この坂を登りつめたとき
そこから何が見えるのだろう
季節の終わりに雨が降る
まるで後悔の涙のように
2008年3月 8日
風が吹いている
砂埃を舞い上げ
色んなものを吹き飛ばし
風が吹いている
人々は顔を隠し
何処にも行き場がない
人々は、口をふさぎ
人々は、下を向き
人々は、立ちすくんで
人々は、しゃがみこんで
風が吹いている
どうすれば良いのか
行くことも、戻ることもできない
2008年3月 6日
雪が解け始めている
まるで、永遠に続くかのような冬が
凍り付いていた地面や街が
ゆっくりと、解け始めている
雪解け水が流れていく
きらきらと、光を反射しながら
まだ、風が冷たいときもある
また、雪が降るときが来るかもしれない
でも、今日は、雪が解けている
雪解け水が流れていく
きらきらと、光を反射しながら