2008年1月29日

目覚めた朝
雨模様
部屋はひっそりしてて
時計の音も淋しそう

思い出しかけた君の姿は
雨に煙ったように
ぼんやりしている
失くした心は何処へ行ったのだろう

でも明日こそ

できるかぎりのやさしさを
せいいっぱいの微笑を

雨がしとしと降っている
朝の街に降っている
僕の心に降っている

2008年1月27日

ここは知らない街

どれくらい歩いただろう
考えごとをしていた
下ばかり見て歩いていた

ここは知らない街

いつもの道を歩いていて
いつもと違った方向へ曲がってみた
どこまでも歩いていくつもりだった
どこかに行き着けるはずだった
かなり遠くへ来たのだろうか
すれ違う人は 何くわぬ顔で
よそ者には目もくれない

「ここはどこですか」
「僕はどこへ行けばいいのですか」

2008年1月26日

見慣れた風景

君と僕の間に
季節が通り過ぎて
ふたりの心は
寒さにふるえている

さまよい続ける夢は
どこへ行き着くのですか?

君はまた
うつろな瞳で
遠くを見つめている
「今、何を思っていたの?」
答は淋しげな微笑に消えて
ただ 薄紫色のあこがれにも似た
沈黙が残るだけ

見慣れた風景も
遠い記憶の退廃(デカダンス)

古代の宝物は
輝きを失い
空を飛ぶ鳥は
姿を消していく

永遠の時間にさえ
色褪せないものは
君の美しく揺れる
黒髪だけ

2008年1月25日

まだ街は眠っている

街は夜明け色に染まっていく
僕は冷たい時の狭間を歩いていく

そんな僕を青白い建物達は
珍しげに見おろしている

早起き鳥が空を駆ける
蹴飛ばした缶からが
聞き耳を立てていた大気を驚かす

まだ街は眠っている
愛や憎しみも眠っている
喜びや悲しみも眠っている

昨日のことは思うまい
明日のことは思うまい

僕は星のように
町のかなたへ消えていった